中古カメラの相場はなぜ上昇?2026年データで見る仕入れ判断

こんにちは、けんやです。
今回は、
中古カメラの相場はなぜ上昇しているのか
というテーマでお話ししていきます。
キタムラやマップカメラなど、
一部ネットショップにおいて
以前ほど安い商品が出にくくなっています。
この感覚は少し前の記事でも書きましたが、
そのときは私の肌感覚だけで、
数字で確かめたわけではありませんでした。
今回は、
2026年上半期の中古カメラ相場のデータが出ているので、
何が上がっていて、背景に何があるのかを整理したうえで、
相場が動く時期に、仕入れ判断で一番大事にしていることをお話しします。
先に結論からお伝えすると、
この調査では
5万円未満の機種と、2016年以前の古い機種が、平均で一番上がっていました。
ただしこれは平均の傾向です。
個別に見ると、高い機種が上がっている例もあります。
そして、
相場が動く時期に一番大事なのは、
自分の中の相場データを更新し続けることだと思っています。
この記事でわかること
- 2026年上半期に、中古カメラの相場がどれだけ上がったか(実データと、その読み方の注意)
- 値上がりの背景として、数字で確認できる3つの動き
- 売値が上がった時期に、私の仕入れ値はどう動いていたか
- 相場は生もの。自分の中の相場データの更新のしかた
中古カメラの相場上昇は、2026年上半期のフリマ取引データで確認できる
元にしているのは、
カメラ専門のフリマサービス「みんなのカメラ」が
2026年8月7日に発表した、
2026年上半期のフリマ取引データです。
対象は動作確認済みの中古カメラ本体で、
交換レンズは含まれていません。
1月から6月まで毎月取引があった製品を固定して、
各製品の1月の平均価格を100とした指数を見ると、
6月は103.1でした。
途中の2月と5月は下がっていて、
一方向に上がり続けたわけではありません。
1月と比べると+3.1%で、
調査元も緩やかな上昇だったと説明しています。
また、
1〜3月と4〜6月の両方で一定数の取引があり、
価格の変化がはっきりしていた32製品で見ると、
28製品が値上がりし、値下がりしたのは4製品だけでした。
この32製品は、
動きがはっきりしていたものに限った数字です。
ただ、
調査元も、
みんなのカメラ上の取引なので
日本の中古カメラ相場全体を代表するものではなく、
1〜3月は立ち上げ期で取引数が少ないため、
上昇分には出品価格の水準差が含まれる可能性がある、
と断っています。
「このサービスの中では、上半期に上がった製品が多かった」
という範囲で読んでください。
値上がり率の上位は、D5600・α7 IV・GR III・α6000
1〜3月の平均価格と、
4〜6月の平均価格を比べた
値上がり率の上位は、次のとおりです。
- Nikon D5600 ボディ: +24.1%(34,188円 → 42,442円)
- SONY α7 IV ボディ: +11.9%(188,140円 → 210,541円)
- RICOH GR III: +10.9%(170,953円 → 189,607円)
- SONY α6000 ボディ: +10.0%(40,176円 → 44,175円)
顔ぶれを見ると、
安い機種だけが上がったわけではありません。
1位のD5600は、
私も以前は主力にしていた機種ですが、
前半と後半の3ヶ月平均で8,000円以上の差がついています。
値下がりした4製品は、
α1、COOLPIX P1100、PowerShot V1、α7R Vと、
どれも10万円を超える機種でした。
平均で見ると、安い機種と古い機種が一番上がっている
32製品とは別に、集計対象の全製品を
価格帯別(1〜3月の平均取引価格)と発売年別に分けた平均上昇率も出ています。
価格帯別では、
5万円未満の機種が平均+14.2%だったのに対して、
20万円以上は+0.9%でした。
発売年別は、次のとおりです。
- 2016年以前: +7.1%
- 2017〜2020年: +4.0%
- 2021〜2023年: +2.8%
- 2024年以降: +0.6%
安い機種ほど、古い機種ほど上がっている、
という結果ですね。
調査では、
生産が終わって後継機が出ている旧モデルは、
新品が手に入りにくい分だけ中古の値段が落ちにくい、
と説明されていました。
ただし、
古い年代や5万円未満の区分は該当する製品が少なく、
特定の製品に引っ張られやすいことと、
古い製品と安い製品には重なりがあることが、
注意として書かれています。
「安い・古いから上がる」と決めつけず、
傾向として押さえておいてください。

中古カメラの値上がりの背景として、数字で確認できる3つの動き
以前、仕入れが難しくなった話を書いたときは、
円安やインバウンド、オールドコンデジ人気といった要因を、
私の感覚として挙げていました。

原因として証明されたものはないので、
今回は背景として数字で確認できる動きを、
起きた時期も分けて3つに絞って見ていきます。
新品の値上げが続いている
2026年は、
新品カメラの値上げが続いています。
キヤノンは2026年4月の決算発表で、
メモリ(半導体)価格の高騰によるコスト増を
全社で約500億円と見込み、
5月21日に計63製品を値上げしました。
ニコンも6月1日に、
Zシリーズなどを値上げしています。
いずれも上半期の途中〜終盤の話なので、
この上半期データ全体の原因というより、
同じ時期に起きていた動き、という位置づけです。
新品が高くなれば、
「それなら中古で」と考える人が増えてもおかしくありません。
ただ、
「新品の値上げで中古に流れた」という因果を
数字で証明したデータはありません。
「カメラ・写真機材」は、海外向け販売で2位のカテゴリ
もう一つが、海外需要です。
eBay Japanが2026年8月に発表した
越境ECのレポートでは、
日本のセラーが海外へ販売しているカテゴリで、
「カメラ・写真機材」は衣料品に次ぐ2位でした。
よく「円安で海外に流れている」と言われますが、
円安が相場をどれだけ押し上げているかを
裏付ける資料は見つかっていないため、
「円安で上がっている」とは断定できません。
確かなのは、
カメラ・写真機材が海外向けに多く売れているカテゴリだ、
というところまでです。
これも時系列の増減ではなく、2026年時点の位置づけです。
コンデジは、新品の出荷台数まで2年連続で増えている
3つ目が、コンデジ人気です。
これは2026年上半期の動きではなく、
2023年から2025年にかけての中期的な流れです。
オールドコンデジがなぜ人気なのかは、
こちらの記事で詳しくお話ししています。

数字で見ると、
レンズ一体型カメラ(コンデジ)の世界出荷台数は、
2023年の約172万台から2025年には約244万台へ、
2年連続で増えています。
新品のコンデジの出荷まで増えているくらいなので、
中古のコンデジにも人が集まりやすい、
という見方はできます。
ただし今回の調査の上位4製品は、
GR III以外の3つがレンズ交換式です。
コンデジ出荷の増加は中期的な需要の話で、
この上半期データそのものの説明ではありません。
売値が上がった時期、私の仕入れ値も一緒に上がっていた
相場が上がると、
売値だけが上がるように見えます。
ただ、
私が扱ってきた範囲では、
仕入れ値も一緒に上がっています。
以前の記事でも書きましたが、
キタムラでは難あり品ですら
少しずつ値段が上がってきている、
というのが私の実感です。
コンデジの相場が高かった時期も、
売値が上がった分だけ利益が増えた、
という感覚は私にはありませんでした。
上半期の調査が示しているのは売値の動きで、
仕入れ値は私の経験の話です。
そのうえで、
このデータから私が一番読み取ったのは、
全体は緩やかでも、機種によっては差が大きく出るということでした。
ここからが、
今回一番お伝えしたいところです。

相場は生もの。過去に売った機種でも、最新の相場を捉え直す
物販をやっていると、
「この機種はこれくらいで売れるだろう」と、
過去の販売データをもとに
値付けや仕入れ基準を決めることがよくあります。
ただ、
相場は生ものです。
昔から動くものではありましたが、
最近はそれが、
以前に比べてより顕著に出ている印象があります。
今回の調査でも、
上位3製品は前半と後半の3ヶ月平均で
8,000円以上、大きいものでは2万円を超える差がついていました。
こういう時期に怖いのは、
下がって損するパターンだけではありません。
以前3万円弱で売れていたPowerShot G10が
5万円前後まで上がったとき、
「3万円の機種」という昔の感覚のままだと、
目の前の利益商品を自分でスルーしてしまいます。
また、PowerShot S95についても、
相場が以前の倍以上に跳ね上がりました。
このあたりは、
それぞれ別記事で詳しくお話ししています。


上昇率1位のD5600も、
機種別レビューでは
安ければ仕入れるという温度感だとお伝えしました。

仕入れ値の基準も、
古い相場のままでは合わなくなります。
過去に売った経験は大きな武器ですが、
それを絶対のものさしにせず、
自分の中の相場データを常に更新していく姿勢が、
相場が動く時期には一番大事だと思っています。
自分の中の相場データの更新のしかた
更新するといっても、
やること自体は難しくありません。
過去の販売実績は、
「だいたいこれくらい」というざっくりの肌感として使う。
そのうえで、
仕入れる前にその機種の直近の落札を見て、
肌感を今の数字で上書きする。
上がっていれば基準を上げ、
下がっていれば基準を下げる。
何度も売った機種ほど、
昔の記憶だけで決めてしまいやすいので、
そういう機種こそ見直す対象になります。
実際、
私が50台以上売ってきたEOS Kiss X7iも、
売値と利益額が下がり、
昔の感覚のままでは判断できなくなった機種です。
過去の主力機種でも売れ行きが変わる例として、
こちらの記事で詳しくまとめています。

直近の落札を見るときに、
1件だけ飛び抜けて高い履歴を基準にしない相場の見方は、
こちらの記事でお話ししています。

それから、
ヤフオクの競り上がりを日常的に見ていると、
「この機種、上がってきているな」という変化に気づきやすくなります。
相場が動いているのに、
値付けが昔の相場感のままの仕入れ先も普通にあるので、
自分の中の相場データが新しいほど、
その差はそのまま仕入れのチャンスになります。
ここまでの話を、
仕入れの場面に落とし込んで整理しておきます。
まとめ|中古カメラの相場上昇は「自分の相場データを更新する合図」
- 2026年上半期、みんなのカメラの取引では、価格変化が明確な32製品のうち28製品が値上がり。ただし同サービス内の傾向で、相場全体を代表するものではない
- 全体の価格指数は1月100→6月103.1(+3.1%)。途中の2月と5月は下がっており、緩やかな上昇
- 平均で一番上がったのは、5万円未満(+14.2%)と2016年以前(+7.1%)の機種。どちらも該当製品が少なく、古い製品と安い製品には重なりもある
- 背景として数字で確認できるのは、上半期の途中〜終盤にかけての新品値上げ・海外向け販売でのカテゴリ順位・2023〜2025年のコンデジ出荷増。原因と証明されたものではなく、円安で上がっているとも断定できない
- 売値が上がった時期、私の仕入れ値も一緒に上がっていた。相場が上がったからといって利益が増えるとは限らない
- 相場は生もので、私の印象では最近その動きがより顕著。過去に売った機種でも、最新の相場を捉え直す
- 一番大事なのは、自分の中の相場データを常に更新していく姿勢
今日からできるアクションプラン
- 自分が「過去の感覚」で相場を覚えている機種を1つ選んで、直近の落札を見て今の相場を調べ直す
- その機種の仕入れ基準を、今の相場から引き直す。上がっていれば基準を上げ、下がっていれば下げる
- ヤフオクのオークションを定期的にのぞいて、競り上がりから相場の変化に気づく習慣をつける
上半期の数字が教えてくれたのは、
上がった製品が多かったことより、
機種によっては差が大きく出るということでした。
過去の販売実績は、
使い倒すべき武器であって、
絶対のものさしではありません。
この記事の数字も2026年上半期のものです。
相場と同じで、
いずれ古くなる前提で読んでもらえればと思います。

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